電力会社に勤めているみなさん、電験三種は取得したでしょうか?
電力会社を勤めていく中でも、役に立つ資格でもありますが、
今後は転職時代になりつつあり、資格はとても重要な指標のひとつになります。
もし転職先に必要ない資格だとしても、難易度の高い資格を持っていると、転職に有利になる可能性があります。
私は、電験三種を独学で2020年に取得しました。
ここでは、独学で、電験三種を取る方法を紹介します。
この記事を読むと
「電験三種を独学で合格する方法(勉強法)」がわかります。
電験三種とは
電験三種とは、第三種電気主任技術者という国家資格のことです。
三種ということは、二種、一種もあります。
「三種」→「二種」→「一種」とだんだん難しくなります。
この資格を持つと、
事業用電気工作物(発電所、変電所、ほかにはビルや工場の変電設備、受電設備)の責任者
になれます。
電験三種を取ると、得する
私の会社では、電験三種を取得すると、5万円のお祝い金がもらえます。
それに加え、人事評価もよくなります。
私は実際に、評価がアップしました。
また、転職時において、電験三種を持っている人は貴重な人材なので、有利に働きます。
もし、必要のない職種だとしても、難関資格を持っているということをアピールできます。
電験三種の試験は難しい?
電験三種の試験内容
- 理論、機械、電力、法規分野の4科目
- 60点以上で合格
- 4科目すべてを3年間以内に合格
- (三種は、面接はなし)
「3年以内でとるなんて簡単じゃん」と思った人がいるかもしれませんが、難易度はものすごく高いです。
令和3年度の合格率は、11.5%です。
電力会社には、電験三種は必須?
電験三種は電力会社で必須ではありません。
実際に発電所などの主任技術者になるのは、とても部長クラスであり、複数の発電所を兼任できるので、人数も限られています。
資格がなくても昇給できますし、なんの問題もありません。
上司で電験三種を持っている上司も少ないです。
しかし、ただ「持っている」というアドバンテージが、周りの目を変えさせます。
電験三種を取る方法(勉強法)
これは、独学の方におすすめの勉強法です。
全く無知識から始めると想定しています。
3年計画で勉強をする
まず、4分野を一気に勉強してはいけません。
ただでさえ1分野でも難しいのに、4分野同時取得するなんてなかなかできません。
浅く広く4分野を勉強するのではなく、私は
狭く深く1分野に集中して勉強することをお勧めします。
特に勉強する順番が非常に大事なので、解説していきます。
【勉強する順番】
- 理論
- 機械
- 法規、電力
ちなみに、試験(内容)の難しさ順は、
- 機械
- 理論
- 法規
- 電力
1年目は「理論分野のみ」ひたすら勉強
1年目に勉強する分野は、
理論
理論は、機械、電力、法規のすべての基礎となる分野です。
これが理解できていなければ、ほかの分野の勉強をしても理解がしにくいです。
理論分野は2番目に難しい分野で、まずこれが受からないのであれば、電験三種の取得をあきらめた方がいいでしょう。
そういう基準も含めて、私はこれを一番最初に取得しました。
もし、取得できなかった場合は、3年計画を1年シフトしましょう。
ここは、取得できなかったとしても、損することはありません。
理論を取得できてからが勝負です。
2年目は、「機械分野のみ」ひたすら勉強
2年目に勉強する分野は、
機械
機械は、理論の応用で、出題(勉強)範囲が広く、1番難しいので、1番勉強する年です。
この年が私の中で一番メンタルがしんどかったです。
勉強が追いつかず、試験当日は「あの分野は出ないでくれ」と祈っていたのを覚えています。
しかし、これを乗り切れば、電験三種は取得できたも同然です。
もしも落ちてしまった場合は、3年目の年は、3分野の勉強をする必要があり、大変になるので、絶対合格しましょう。
3年目は、「電力、法規分野」を軽く勉強
3年目に勉強する分野は、
電力、法規
この二つはどちらから勉強しても、大差ありません。
とっつきやすさから言えば、1番簡単な「電力」から勉強するとよいでしょう。
電力は水力、火力、原子力発電所の仕組みや送電、変電についてなので、ものが想像しやすい分、今までよりすこしイメージがしやすいです。
(私は電気をいくら想像しても想像できませんでした。)
法規は、問題数が少なく、試験時間も少ないです。
暗記問題が多く、法律をいっぱい覚えなければいけません。
計算問題もありますが、今までの分野をしっかり理解できていれば、難しくありません。
なので、私の中では、逆に計算問題は得点を稼ぐチャンス問題です。
この年は、機械を経験した人ならば、軽く乗り越えられるでしょう。
ちなみに、順番を入れ替えたりすると、勉強自体が理解しづらかったり、電力、法規をとったあとの3年目で一番難しい機械で落ちて、また取り直さなければならなくなるなどのリスクが高まります。
100点を目指さない
電験三種は各分野、
60点を取れば合格です。
なので、100点は取ろうとしないでください。
60→100点にするより、40→ 60点にするほうが簡単です。
すべての分野60点でいいのです。
100点もいりません。
正直いうと、電験三種を取得した私でさえいまだに理解できていない問題もあります。
頭のいい人ならいいですが、違う分野の人は一生理解できない問題があるかもしれません。
そういう時は、きっぱりその問題を捨てましょう。
すべてを理解しようとするには、時間が足りなくなります。
難しい問題は理解することをあきらめて、他の問題を100%理解する方にシフトするのが賢明です。
おすすめ問題集
具体的な勉強方法について、紹介します。
私が使用した参考書は、みんなが欲しかったシリーズを4冊(4分野)と10年分過去問題集です。
特にみんなが欲しかったシリーズは重宝しました。
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みんなが欲しかった! 電験三種 理論の教科書&問題集 第2版 [ TAC出版開発グループ 編著 ] 価格:3,300円 |
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みんなが欲しかった! 電験三種 電力の教科書&問題集 第2版 [ TAC出版開発グループ著 ] 価格:3,300円 |
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みんなが欲しかった! 電験三種 機械の教科書&問題集 第2版 [ TAC出版開発グループ著 ] 価格:3,300円 |
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みんなが欲しかった! 電験三種 法規の教科書&問題集 第2版 [ TAC出版開発グループ著 ] 価格:3,300円 |
みんなが欲しかったシリーズは、教科書と問題集がセットになっています。
問題集は、教科書とリンクした過去問を、理解しやすい順番に掲載してあります。
私は全分野でこの問題集を購入しました。
勉強方法はどの分野も共通したやり方を行っていました。
教科書→問題集→教科書→問題集→教科書→過去問(10年分)→問題集(試験前)
これが最強ルートです。
勉強時間は通年で1日2時間です。
試験申し込みしてからは、土日も合わせて5時間くらい勉強しました。
これくらいの勉強時間で3周することができました。
3周すれば、自信をもって試験に挑むことができます。
さらに、プラスで1、2周すれば、完璧に近づくでしょう。
まとめ
- 3年間で計画する。(焦らない)
- 1年目:理論、2年目:機械、3年目:電力・法規
- 100点を目指さない=合格点の60点ギリギリを目指す。
- 問題集を3周以上する。
この勉強法を実践すれば、取れる可能性が高まるでしょう。
3年間も勉強するのはすごくつらかったですが、資格取得したときの達成感はものすごいです。
専攻分野じゃないこともあり、職場ではみんなに褒められ、新入社員時代の上司(今は会社の幹部クラス)から直接電話が来て、お褒めの言葉をいただきました。これだけでとても報われました。
電験三種は持っているだけでもアドバンテージが取れる資格なので、ぜひ目指してください。
電験三種の2022年度の制度変更についてはこちら